核兵器保有問題の巻

 

こんにちは! ひでです。
米朝トップ会談が実現し、とにもかくにも北朝鮮と国際社会の関係が動き始めました。
世界が最も注目しているのは「北朝鮮が本当に核兵器を完全に放棄するかどうか」ですね。
今後の交渉や査察では一筋縄ではいかない駆け引きがくり広げられそう。
今後も北朝鮮関連の記事から目が離せません。

世界には核兵器を持っている国があります。
どんな経緯で核兵器保有国になったんだろう?
今の北朝鮮のように問題にならなかったの?
これまでのできごとを知っていれば、今後の北朝鮮関連の記事が理解しやすくなるんじゃないかな?
そんなわけで、核兵器保有問題のあれこれ調べちゃいました!

核兵器を持ってるのはどの国?
現在の核兵器保有国は、
アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、インド、パキスタンイスラエル北朝鮮
の9か国です。
アメリカ、イギリス、フランス、ロシア(ソ連からの継承)、中国の5か国は、第二次世界大戦戦勝国
国連の常任理事国でもあり、戦後体制の中で強い発言権を持つ「大国」です。

1963年に国連で採択された「核拡散防止条約」は、「すでに核兵器を持ってる5大国はいいけど、それ以外の国は持っちゃダメ」という内容です。
う~ん……なんかズルい!って感じですよね(笑)
でも戦争で勝って国際社会から大国と認められる、っていうのはこういうことなのかなあ……

インドはどうして核兵器を持ってるの?
インドは「核拡散防止条約は不平等だから参加しない」という立場を取っていて、1974年には核実験を行いました。
当時インドと中国は敵対していて、国境付近で紛争が頻発。
保有国の中国への対抗措置として核実験を行ったと見られています。
この核実験に対しては国際社会から非難が集中。
インド政府は「あれは核爆発ではなく、核爆破だ!」とよくわからない釈明をして、国際社会はあっけに取られました。
よくよく聞いてみると「核爆破によって地面を掘削し運河を作るんだ!平和利用だ!」とのこと。
「平和的利用」を言い張るインド政府に対して、国際社会からの非難は短期間で鎮静化しました。
なんだか「言ったもん勝ち」って感じですね(笑)

インドの場合は北朝鮮とは全然違いますね。
北朝鮮はミサイルをバンバン飛ばして周りの国を威嚇したし、「アメリカを火の海に!」なんて物騒なことを言うし……
協調しようという態度を示すかどうかで、国際社会との関係が違ってくるみたいですね。

パキスタンはどうして核兵器を持ってるの?
パキスタンはもともとインドの一部でした。
インド国民の大半はヒンズー教徒。
少数派のイスラム教徒が独立してできた国がパキスタンです。

ヒンズー教イスラム教の対立という構図は独立後も変わらず、国境地帯であるカシミール地方をめぐって紛争が頻発。
ついには3度の戦争が起こりました。
ちなみに「紛争」と「戦争」の違いは「宣戦布告があるかないか」です。

その後も対立は続き1974年に続いて1998年にもインドは核実験を行いました。
これに対抗するようにパキスタンも中国の支援を受けて1998年に核実験を行い核保有国となりました。
中国はインドと仲が悪いからパキスタンを支援したんですね。

パキスタンの核実験には「北朝鮮の代理核実験ではないか?」という疑惑があります。
原子爆弾には2つのタイプがあります。ウラン型とプルトニウム型。
パキスタンは「保有する核爆弾のすべてがウラン型」と公言していました。
でもパキスタンの核実験の際、アメリカの偵察機が大気中のサンプルを採取してみると……
なんと当時のパキスタンには存在しないはずのプルトニウムを検出しました。
そして北朝鮮が開発途上だった核はプルトニウム型。
このことからパキスタン北朝鮮が水面下で核兵器の開発で協力しあってるのでは?
という疑惑が持たれています。
そう言えば、北朝鮮の後ろ盾になってきたのは中国だし……
国際関係ってやっぱり複雑で一筋縄ではいきませんね。
(裏面へ続く)

イスラエルはどうして核兵器を持ってるの?
イスラエル政府は核兵器保有について「否定も肯定もしない」という立場を取っています。
でも世界からは核兵器保有国と考えられていて、国際原子力機関(IAEA)も「イスラエルは核保有国」との位置づけをしています。

イスラエルの人口は900万人足らず。
東京都の人口が1,400万人弱であることを考えると、国としての規模は決して大きくありません。
でも軍事力は世界で15位。諜報機関の「モサド」の実力は世界一とも言われています。
土地と宗教という人類の対立の二大要因を抱えながら10億人のアラブ諸国に囲まれているイスラエル
生き残っていくためには強力な武力が不可欠、という考え方なんですね。

周囲のアラブ諸国は、当然イスラエルの核保有に反対する立場を取っています。
国際原子力機関IAEA)にも査察を要請していますが、これに反対しているのがアメリカ。
イラクリビアなどのアラブ諸国には厳しいアメリカですが、イスラエルの核保有については事実上容認しています。

アメリカはどうしてイスラエルの肩を持つの?
世界の親分アメリカはイスラエル寄り。なぜでしょうか?
もともとアメリカ人の気質として「弱い者の味方」ということがあります。
はるか昔土地を奪われ周辺諸国へ追いやられたユダヤ人。
それ以来各地で「よそ者」として扱われてきました。
第二次世界大戦中にはナチスによって、「ユダヤ人を絶滅させる」という計画が半ば実行されました。
なんと600万人のユダヤ人がガス室で命を絶たれて……
う~ん……ひどすぎる!

ユダヤ人には「ユダヤ人の国を作ってあげます」と約束し、アラブ人には「パレスチナはアラブ人のものです」と言ったのはイギリス。
この二枚舌によって今日のパレスチナ問題は引き起こされました。
実際に対立構造ができてしまった今、アメリカ人としてはこれまでひどい目に遭ってきたユダヤ人の肩を持ちたくなるんですね。

でもアメリカが親イスラエルである理由は「気持ち」だけではありません。
ユダヤ人はもともと頭がいい上にたいへんなビジネスの才能があります。
2,000年に渡って過酷な状況の中を生き延びてきた彼らは、世の中を渡ってゆくための術というものをしっかり身につけてきたんですね。
政界、財界、教育界、メディア、etc……
アメリカに住んでいるユダヤ人の多くはアメリカの中枢部に進出。
アメリカの人口のたった1.8%に過ぎないユダヤ人ですが、すごい影響力を発揮しているんです。
こうしてアメリカという後ろ盾があるからこそ、イスラエルは核保有国でいられるんですね。

北朝鮮と各国の交渉はどんな展開を見せるのでしょうか?
北朝鮮から核兵器はなくなるのかな?
韓国との関係は?
日本と国交は樹立される?
どんな見返りを要求してくるの?
これから私たちは、まさに歴史を目撃することになりそうですね。
ますます新聞から目が離せなくなりそう。
明日の朝刊が待ち遠しい!